引っ越し時の電気・ガス・水道手続き完全ガイド｜スムーズな開始・停止の段取りとタイミング

引っ越しは新生活の始まり。しかし、電気・ガス・水道といったライフラインの手続きを怠ると、初日から困ることに。本記事では、引っ越し前後の手続きをステップごとに解説し、失敗しない段取りをお伝えする。

引っ越し1か月前｜ライフライン手続きの全体像を把握

なぜ早めの準備が必要か

引っ越し準備は約1か月前からスタートするのが理想。荷造りや住所変更に加え、ライフライン手続きも同時進行で進めたい。

電気・ガス・水道の停止や開始には、事業者側の作業スケジュールが関わる。特にガスは立ち会いが必須なため、希望日に予約が取れないケースも。早期連絡で選択肢を広げることが重要だ。

必要な情報を事前に整理

手続きには以下の情報が求められる。

• 契約者氏名
• お客様番号（検針票に記載）
• 現住所と新住所
• 停止日・開始日
• 連絡先電話番号

お客様番号の確認方法は複数ある。最も手軽なのは、毎月届く「ガス・電気ご使用量のお知らせ」。郵送でもWeb明細でも必ず記載されている。

検針票をスマートフォンで撮影しておけば、いつでも確認可能。また、関西電力の「はぴeみる電」や大阪ガスのマイページなど、会員サイトに登録していれば24時間いつでも確認できる。

引っ越し直前の慌ただしさで書類を紛失するケースは多い。複数の確認手段を用意しておくと安心だ。

引っ越し2週間前｜電気・ガス・水道の停止手続き

電気の停止連絡

電気の停止は、引っ越しが決まったら早めに連絡したい。1か月前から受付可能で、遅くとも1週間前には手続きを済ませておくと安心だ。

たとえば関西電力では、オンライン手続きなら24時間いつでも申し込める。契約者名義・供給地点特定番号・停止希望日を入力するだけで完了する。早めに連絡しても、停止日を引っ越し日に指定できるため余分な料金は発生しない。

停止当日は、ブレーカーを落とす必要はない。電力会社側で遠隔操作により停止処理が行われるため、立ち会いも不要だ。

ガスの停止連絡と立ち会い

ガスの停止には立ち会いが必要となる場合がある。閉栓作業でメーターの確認や元栓の閉鎖を行うためだ。

一般的なガス会社では、通常期は遅くとも3〜4日前、繁忙期その他混み合う時期は2週間前までの連絡が推奨されている。オンライン申し込みも可能で、希望時間帯を午前・午後で指定できる。

立ち会い時間は通常10〜15分程度。小さな子どもがいる家庭では、午前中の早い時間を選ぶと生活リズムを崩さずに済む。

水道の停止連絡

水道の停止は、各自治体の水道局へ連絡する。大阪市や堺市では、インターネット受付が可能だ。

停止当日に立ち会いが必要なケースは少ない。ただし、旧居の最終使用量を確認するため、退去時にメーター数値を記録しておくとトラブル防止につながる。

引っ越し日まで水道は使えるため、掃除や最後の洗濯物にも対応できる。

引っ越し1週間前｜新居でのライフライン開始手続き

電気の開始手続き

新居での電気使用開始は、事前申し込みが基本。入居日当日から電気を使えるよう、早めの連絡を心がけたい。

関西電力では、契約者情報・新住所・供給開始希望日をオンラインで入力すれば手続き完了。引っ越し当日にブレーカーを上げるだけで通電する。

もし入居日に電気が通らない場合は、ブレーカーの確認後、速やかに電力会社へ連絡。オペレーターが状況を確認し、必要に応じて作業員を手配してくれる。

ガスの開栓手続きと立ち会い

ガスの開栓には必ず立ち会いが必要。安全確認のため、ガス会社の検査員が訪問し、ガス漏れや圧力テストを実施する。

開栓作業は通常30分程度。キッチンのガスコンロや給湯器の点火確認も含まれる。立ち会いは1名で問題ないが、作業後に家族でも動作を確認しておくと安心だ。

大阪ガスでは、開栓希望日の予約を早めに行うことを推奨している。繁忙期の3〜4月は予約が埋まりやすいため、1週間以上前の連絡が望ましい。

水道の開始手続き

水道の開始手続きは自治体の水道局が窓口。インターネット申し込みなら、平日夜間や休日でも受付可能だ。

入居日当日は、メーターボックス内のバルブを開ける。数分間水を流し、濁りがないか確認する。初めは赤茶色の水が出ることもあるが、しばらく流せば透明になる。

水道料金は自治体によって異なるため、転居先の水道局サイトで料金体系を事前確認しておきたい。

引っ越し当日｜最終確認と立ち会い対応

旧居での最終チェック

引っ越し当日、旧居では以下を確認する。

• 全ての蛇口が閉まっているか
• 電気のブレーカーが落ちているか（不要な場合もあり）
• ガス閉栓の立ち会い予定時間

特にガスは、作業員の訪問時間に遅れないよう注意。万が一不在の場合、再訪問費用が発生することもある。

新居での開栓立ち会い

新居に到着したら、まず鍵の引き渡しを受ける。その後、ガス開栓の立ち会いを最優先に。

立ち会い時には以下を確認したい。

• ガスコンロの点火状況
• 給湯器の動作確認
• ガス臭がないか

作業員が安全確認を終えれば、その場でガス使用が可能になる。料理や入浴の準備を進められるため、生活立ち上げがスムーズだ。

引っ越し後｜新居での生活を快適にするポイント

電気・ガス・水道の動作確認

入居初日は、全てのライフラインが正常に機能するか確認する。

電気
ブレーカーを「入」にして通電をチェック。照明やコンセントが使えるか、各部屋を回って確認する。もし電気が通らなければ、電力会社へ即連絡。

ガス
開栓立ち会い後、キッチンと浴室の給湯を実際に使ってみる。お湯の温度が適切か、給湯器が正常に作動するか確認しておくと安心だ。

水道
蛇口から水を出し、濁りや異臭がないかチェック。問題があれば水道局へ連絡し、状況を報告する。

使用開始手続きの確認

事前に電気・ガス・水道の使用開始手続きを済ませていれば、入居後の追加手続きは不要。

もし手続きを忘れていた場合は、郵便受けに入っている使用開始申込書のはがきを投函、またはWeb・電話で手続きが必要となる。

オンライン申請なら、スマートフォンやパソコンから24時間手続き可能。平日夜や休日でも対応できるため、共働き世帯にとって利便性が高い。

ファミリー向け｜電気・ガスのセットプランで節約

セット割引の活用

引っ越しは、電気とガスの契約を見直す絶好の機会。大手事業者では、電気・ガスをセットで契約することで割引が適用される。

関西電力の「なっトクパック」では、電気とガスをまとめることで年間約3,000〜6,000円の節約が見込める。大阪ガスの「ベースプランA」も同様の割引制度がある。

セット契約により、請求書が1本化されるため家計管理もシンプルに。支払い忘れのリスクも減らせる。

料金シミュレーションの活用

各事業者のウェブサイトでは、料金シミュレーションが用意されている。現在の使用量を入力すれば、セット契約後の料金が試算できる。

家族構成や生活スタイル、床暖房の有り無しなどによって最適プランは異なる。複数のプランを比較し、最もお得な契約を選びたい。

家族で共有｜ライフライン手続きチェックリスト

引っ越し1か月前

• 電気・ガス・水道の解約日を決定
• 電気の停止手続きを実施（1か月前から受付可能）
• 各社ウェブサイトで停止予約
• 新居の契約プランを検討

引っ越し2週間前

• 停止・開始日の再確認
• ガス立ち会い日時をスケジュール帳に記入
• お客様番号を以下のいずれかで確認
  • 毎月の使用量のお知らせ（検針票）を撮影
  • 会員サイト（マイページ）に登録してオンライン確認
  • 過去の請求書や契約書類を保管

引っ越し1週間前

• 新居でのライフライン開始手続き完了
• 家族全員にガス立ち会い時間を共有
• 旧居の掃除スケジュールを調整

引っ越し当日

• 旧居の停止作業・メーター確認
• 新居の鍵引き渡しと同時にガス開栓立ち会い
• 電気・水道の通電確認

新居入居後

• 全ライフラインの動作確認
• 使用開始通知の手続き完了
• セット割引プランへの切り替え検討

このチェックリストを冷蔵庫に貼っておけば、家族全員で進捗を管理できる。やるべきことが可視化されるため、漏れや忘れを防げる。

まとめ

引っ越し時のライフライン手続きは、生活の基盤を支える重要な準備。電気・ガス・水道の停止と開始を適切なタイミングで行うことが、スムーズな新生活につながる。

手続きのポイントは以下の通り。

• 電気は引っ越しが決まったらすぐ、遅くとも1週間前に連絡
• ガスと水道も1週間前までに停止・開始の連絡
• ガスは立ち会いが必須、早めの予約を
• お客様番号は複数の方法で確認可能
• セット契約で年間数千円の節約が可能
• チェックリストで家族全員が進捗を共有

計画的な準備により、引っ越し当日の混乱を避けられる。心にも家計にも余裕が生まれ、新しい環境での生活を前向きにスタートできる。

ライフライン手続きを前倒しで進め、安心と快適を手に入れよう。それが、充実した新生活を育む第一歩となる。